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仮想通貨(暗号資産)への投資はおすすめ?これから仮想通貨投資を始める人に意識・注意してほしいポイント3点

2017年に改正資金決済法等が整備され、仮想通貨(暗号資産)交換サービスが適切に実施される地盤が整いました。

同年、ビットコインを筆頭に仮想通貨の存在が日本中に広まり、トレーディングだけで1億円以上の資産を築いた方がメディアで取り上げられ、多くの方が一攫千金を夢見て仮想通貨取引所の口座開設をしました。

億の資産を貯蓄だけで貯めることは容易ではありません。

毎年100万円の貯蓄ペースでも、1億円を貯めるのには100年もかかってしまいます。

もし、若くして1億円の資産があれば、毎日の暮らしをもっと自由なものに変えられるかもしれません。
一攫千金の夢を見るのも、無理はないかもしれませんね。

投資について学び始めた方々は、積立投資の大切さは理解したものの、仮想通貨取引が持つ魅力が気になっている方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、仮想通貨(暗号資産)の概要や注意点等について説明していきます。

※資金決済法の改正(令和2年5月1日施行)により、法令上の「仮想通貨」の呼び名は「暗号資産」に変更されています。

(参考)金融庁 利用者向けリーフレット「平成29年4月から、『仮想通貨』に関する新しい制度が開始されます。」について
金融庁 暗号資産利用者の皆様へ

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1)そもそも、仮想通貨(暗号資産)とはどんなもの?

仮想通貨(暗号資産)とはどんなもの?


仮想通貨(暗号資産)とは、ビットコインに代表される紙幣や硬貨が存在しない電子的に記録や移転ができるデジタル通貨のことです。

通貨という名前の通り、お店によってはショッピングの代金支払いに使える場合があります。ショッピングに使えると言えば、電子マネーを思いつく人も多いでしょう。

仮想通貨(暗号資産)と電子マネーの違いは、国の中央銀行が発行しているか否かにあります。

例えばPayPayなどのキャッシュレス決済手段に1,000円をチャージしたとします。
この場合、国の中央銀行が発行しているお金と同等の価値として、その1,000円を電子マネーとして使うことができます。

一方、仮想通貨(暗号資産)は、国の中央銀行が発行しているものではありません。
金融庁・財務局に登録された民間の取引所(暗号資産交換業者)で売買が行われており、価格が絶えず変動しています。


かつ、電子マネーは国内多くの店舗で利用できますが、仮想通貨(暗号通貨)でショッピングができるお店はほとんどありません。
現在においては、仮想通貨(暗号資産)は通貨としてよりも「投資商品」として利用されています。

(参考)
政府広報オンライン 平成29年4月から、「仮想通貨交換業(仮想通貨交換サービス)に関する新しい制度が開始されました

仮想通貨(暗号資産)の歴史と今後の見通し

仮想通貨(暗号資産)の歴史は、2000年代後半に誕生したビットコインの広まりをきっかけに始まったと言われています。

ビットコインが世に知れ渡った要因の1つは、取引記録を管理するブロックチェーンという基幹技術への期待です。

ブロックチェーンは、その名の通り、取引の情報を記載した台帳を束ねてブロックにしたものをチェーン状に連ねたものです。

中央に管理者はおらず、ユーザーがお互いにブロックを承認し合って取引が続いていく仕組みです。この仕組みは、データの改ざんを行うことが難しく、偽造や二重使用の心配がほとんどありません。


分散型台帳とよばれるブロックチェーンの技術は、インターネット以来の発明として注目されており、仮想通貨以外での用途の研究も進んでいます。

ビットコイン以外の通貨もそれぞれ特徴をもっており、金融業界での発展が期待されています。
既存の金融システムで発生していた海外との送金・着金時の手間・手数料といった問題を仮想通貨(暗号資産)の利用で解決できるか否かが、今後の利用活性のポイントになるでしょう。

海外とのやり取り

仮想通貨(暗号資産)は、世界で数1,000種類あると言われていますが、新しいものが良いとは限りません。
利用が期待され、より実用的なものほど、取引量が増える可能性があり安定と上昇が期待できます。

参考:主要仮想通貨の時価総額と特徴

通貨 時価総額※ 特徴
ビッドコイン 26.6兆円 スマートコントラクトというプログラムした手続きを自動的に実行する機能が特徴。様々な用途での利用やプロジェクトの開発が進んでいる。
イーサリアム 5.0兆円 米ドルとの交換価値が固定されているので価格が安定しているが、そもそものテザー社の米ドル保有量に疑念の声も出ている。
テザー 1.7兆円 米ドルとの交換価値が固定されているので価格が安定しているが、そもそものテザー社の米ドル保有量に疑念の声も出ている。
リップル 1.2兆円 リップルのネットワークを利用して早くて安い国際送金を実現することが期待されている。
ビッドコインキャッシュ 5,181億円 ビットコインから分裂した通貨。ビットコインの取引量が増大したことから開発された。
ライトコイン 4,085億円 取引の処理スピード、発行数量の上限が共にビットコインの数倍。決済サービスでの利用が期待されている。

※時価総額は2020年10月28日時点のもの
  参照:仮想通貨の時価総額と時価総額比率チャート — TradingView

2)仮想通貨(暗号資産)を始める際に、押さえておきたい「注意点」

ここからは、仮想通貨(暗号資産)の投資を始めるうえで、見落としがちな注意点について解説していきます。仮想通貨(暗号資産)は株や債券、FX取引といったメジャーな取引とは異なる点が多くなっています。

特に、税制面で気を付けるべきポイントがあります。
仮想通貨の売買益は雑所得で総合課税の対象となるため、確定申告が必要なこと、所得が高い方ほど税率が上がってしまうことには注意が必要です。

仮想通貨の投資を始める前に、押さえておきたい「注意点」


#1 想定される「損失額」を知っておく! 

投資をする上で重要な点は、どのくらいの損失が想定されるのか、という点です。

例えばビットコインは2017年には1BTC200万円を超えましたが、2019年中には1BTC約30万円台まで下落しています。そして、2020年10月時点では1BTC 130万円を超えるまで回復しています。

また、イーサリアムも、2018年初旬には一時1ETH 16万円をこえていたものが、同年中に1ETH 8,000円台まで下落しています。2020年10月時点では1ETH4万円台まで戻っていますが、最高値にはまだまだ届きません。

このように非常に値動きが激しいので、短期間で大儲けを狙うこともできます。一攫千金を夢見て、投機的に仮想通貨を買った結果、投資資産の大半を失った人もいます。

#2 盗難事件などのトラブルが起きる可能性も

2014年に起きたビットコイン交換所マウントゴックス社から資産が大量流出し、その後同社が経営破綻してしまった事件は有名です。

また、2018年に仮想通貨取引所のコインチェックからネムという仮想通貨が流出した事件は、当時の仮想通貨バブルを一気に冷やす衝撃になりました。

これらの事件では、それぞれ当時の時価で400億円を超える価値の資産が流出しました。

当時、コインチェックはネム以外の通貨は流出していないものの、問題が解決するまでの期間、取引や出金処理が停止になってしまい、多額の資産をコインチェックに預けていた人は背筋が凍る思いをしました。

数年に1度仮想通貨の不正流出事件が起きていることは忘れないようにしましょう。

#3 得られた利益は「総合課税」の対象になる

仮想通貨(暗号資産)の取引で得られた利益は、外貨預金等の取引で得られた利益と同様、雑所得として給与所得等と合算され、総合課税の対象になります。損失の場合は、株式等では使える損益通算の制度も、損失の繰越の制度も使えません。

申告分離課税が適用される株式や投資信託(譲渡所得)、外国為替のFX取引(雑所得)とは、それぞれ税法面で異なります。(これらは国税、地方税、復興税合わせて20.315%の税率)

利益を得た場合は総合課税の所得金額が増加するので、翌年の住民税の納税額も上がってしまいます。

投資は毎年リターンを得られるとは限りません。
前年に得られた利益が翌年の1月の相場の暴落で全て相殺されてしまうこともあり得ます。

納税原資が無くなってしまうというこのような場合も、1度確定した所得で納税額は計算しなければいけません。

参考:国税庁 仮想通貨に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和元年12月)



3) 仮想通貨(暗号通貨)の投資を始めるうえで必要な知識は?

仮想通貨(暗号資産)に投資をする場合に必要な知識は、株式投資やFX取引と基本的には同じで、価格変動リスクが中心になります。

通貨なので投資先が倒産してしまう信用リスクは一見気にしなくて良いように思います。しかし、取引所が経営破綻した際に預けていた通貨がしばらく引き出せなくなったり、ハッキングにより資金が流出するリスクは、株式やFX取引と比較して高いと言えます。

仮想通貨(暗号資産)の投資を始める前に、是非とも知っておきたい知識3点


#1 安全に保管するならウォレット

具体例は後述しますが、仮想通貨(暗号資産)の業界では数年前に1度大規模な盗難事件が起きています。
盗難事件の被害に遭わないためには、仮想通貨(暗号資産)を保管しておけるウォレット(電子財布)を準備する必要があります。

仮想通貨のウォレットとは

仮想通貨の秘密鍵(シークレットキー)を保管・管理、送付、預入などの機能を持ったソフトウェアを指します。
秘密鍵(シークレットキー)とは、銀行でいうとお金を引き出す際に必要な暗証番号のようなもので、仮想通貨の保管、送付、預入などをより安全に行うために利用されます。

実は、仮想通貨(暗号資産)には、FX取引(証拠金取引)、CFD取引(差金決済取引)といったデリバティブ取引が存在します。

デリバティブ取引とは

デリバティブ取引とは、株式、債券、外国為替など、もとになる金融商品から派生した金融商品のことです。代表的なものに「先物取」「オプション取引」「スワップ取引」があります。

デリバティブを利用するメリットは、ショート(空売り)をかけられることです。
空売りの取引を行うと、通貨が下落した時に利益が得られます。1つの戦略として覚えておきましょう。

デリバティブと言うと、レバレッジを連想される方も多いかもしれません。
価格変動リスクが大きい仮想通貨(暗号資産)でレバレッジ取引を行うと、想定外の損失を負う可能性があるので注意しましょう。

#3 分散投資の利点

仮想通貨にも伝統的な投資手法は通用します。例えば、時間分散資産分散などの手法です。

例えば、ビットコインだけを保有するのではなく、イーサリアムも保有することで、それぞれが異なった動きをします。

また、購入タイミングを分けることで、価格が安い時ほど多くの数量を購入する機会を得ることができます。
最近は、投資信託のように積み立てができる仮想通貨の取引所もあります。

仮想通貨の市場は変動が激しいため、つい一括投資の短期売買で大きな利益を目指したくなってしまいますが、伝統的な長期投資の運用手法も有効であることは覚えておきましょう。

4)仮想通貨(暗号資産)の投資がおすすめの人

先述のとおり、仮想通貨(暗号資産)は非常に投機的な動きをします。堅実にコツコツ資産を築いていきたいという方には向かないでしょう。

一方、余剰資金をなるべくハイリスクなもので運用してみたいという方には興味深い市場だと言えます。

また、仮想通貨(暗号資産)には、金利もなければ、決算もありません。チャート分析が重要になります。
短期のトレーディングで稼いでみたいという人には向いている市場です。

仮想通貨(暗号資産)の投資がおすすめの人


仮想通貨は資産が半分になるどころか、10分の1以下になるリスクがある市場です。

1度大きな損失が発生してしまうと損失を埋め合わせる利益を出すことは容易ではありません。
仮想通貨のような動きが激しい市場では損切りの判断も必要になります。

また、仮想通貨は教育資金や老後資金などの計画的に蓄える資産には向きません。

せっかく貯めた老後資産2,000万円が、200万円まで下がってしまったら人生計画が大きく狂ってしまいます。
ポケットマネーのような余剰資金で相場を楽しむ程度ならば問題ないでしょう。

仮想通貨(暗号資産)は、24時間絶えず取引がなされています。チャート分析をしっかりすることで利益を上げている人はいます。そのような分析が好きな方は仮想通貨(暗号資産)の取引に向いています。

5)仮想通貨(暗号資産)取引 開設の流れ

仮想通貨を早速買ってみたいという方のために、実際の購入に至るまでのプロセスを説明します。

仮想通貨は銀行や証券会社に行っても買えません。ウェブ上の仮想通貨取引所(暗号資産交換業者)に口座を開設する必要があります。

そして、開いた口座に日本円を入金し、購入するという手順になります。
注文はスマートフォンからでも簡単にできます。

それでは順に見ていきましょう。

仮想通貨(暗号資産)取引 開設の流れ


①仮想通貨取引所/販売所に登録する

仮想通貨(暗号資産)の取引を始めるなら、まずは仮想通貨取引所(暗号資産交換業者)に口座を開きましょう。

最近はウェブサイト上で口座開設ができます。
良いと思った取引所が見つかったら口座開設のページに進み、本人確認書類や顔写真をアップロードすれば審査に進みます。

審査に数日を要する場合がありますが、順に進めていけば口座開設は難しくないでしょう。

次に、代表的な仮想通貨取引所をいくつかあげてみます。

●参考:コインチェック
コインチェック

1つ目の仮想通貨取引所は、ハッキングにより資金流出をしたコインチェックです。コインチェックは事件後、東証一部上場のマネックスグループの傘下になりました。取扱通貨数は14種類に及び、500円から購入可能です。

●参考:ビットフライヤー
ビットフライヤー

2つ目がビットフライヤーです。ビットフライヤーの創業者加納裕氏は、一般社団法人日本ブロックチェーン協会の代表理事をしています。
取扱通貨数は11種類、100円から購入可能です。ビットコインの取引量では国内No.1です。

●参考:GMOコイン ビットレ君
GMOコイン ビットレ君

3つ目は、GMOコインです。GMOコインは東証一部上場のGMOインターネットのグループ会社です。

暗号資産FXのアプリ、『ビットレ君』を提供しています。
ビットレ君では、一定のテクニカル指標を見ることができます。
分析をしながら投資をしていきたいという方には良いでしょう。



この他に、SBI FXトレードやマネックス証券では暗号資産CFDサービスが開始しています。
今後も仮想通貨(暗号資産)の取引は、現物取引以外にも広がることが期待できます。

SBI FX トレード 暗号資産CFD
マネックス証券 マネックスビットコイン(暗号資産CFD)

また、一般的に現物の仮想通貨(暗号資産)を取り扱う業者を仮想通貨取引所と呼んでいますが、正式には(2020年9月時点)、暗号資産交換業者という業者名になっています。

金融庁のウェブサイトに登録業者が掲載されているので、確認をしておきましょう。

金融庁 暗号資産関係



②日本円を入金する

仮想通貨取引所(暗号資産交換業者)に口座を開いたら、入金をしましょう。
ここでは、予め投資をしようと考えている金額を入金することが大切です。

最初は少額の入金でも問題はありませんが、相場が急変し投資をしたい時に残高がなかったら機会を取り逃がしてしまいます。

また、資金計画を立てず、少しずつ入金し気がついたら想定以上に仮想通貨(暗号資産)に注ぎ込んでいた、となるのもよろしくありません。

現在では、先述のようにFXやCFDによるレバレッジ取引も可能になってきています。
しかしこれらは、運用効率は高まるものの、想定外の損失が発生する可能性もあります。
余剰資金としての投資上限金額を決めて、その範囲で投資をするようにしましょう。

③仮想通貨を購入する

入金までが完了したら、いよいよ通貨選びです。

複数の仮想通貨に投資をした方が、分散投資の効果はあります。しかし、保有している通貨の種類が多すぎると、価格が下がった時に買い増しや損切りをする判断に遅れが出てしまう可能性があります。

また、入金をしたからと言って購入を急ぐ必要はありません。

過去のチャートを見ながら、ご自身が納得できるタイミングで投資をしてみることがおすすめです。

仮想通貨の取引は驚く程手軽に行えます。各サービスのスマホアプリを開くと購入と売却のボタンがあります。そのボタンを押して金額や数量を入力し、確定ボタンを押せば購入は完了します。

投資信託の購入手続き等と比較すると非常に簡単です。

まとめ)仮想通貨(暗号資産)は、余剰資金の範囲で投資しましょう

仮想通貨(暗号資産)は、余剰資金の範囲で投資


ここまで解説してきた通り、仮想通貨(暗号資産)はハイリスクな投資対象だと言えます。

通常、証券会社や銀行口座の資産が盗まれることはありません。しかし仮想通貨(暗号資産)においては、ここ10年で2回も大きな盗難事件が起きています。

伝統的な資産運用をしている方では想像が及ばないようなことも、仮想通貨(暗号資産)の世界では起き得ます。

とはいえ、2017年末のビットコイン最高値から6分の1程度に落ちた2018年末から2019年3月頃までに買った人は、2020年10月時点では投資した資産は約4倍に増えています。リスクが高い一方で、高いリターンが望めます。

相場が急落した時に、落ち着いて判断をするためには、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
資産形成の基本は、長期、積み立て、分散です。

このような基盤を築く中で、仮想通貨(暗号資産)は余剰資金の範囲で運用するようにしましょう。

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